第二種電気工事士 2020年度(下期 午前)筆記試験の問6~10について、過去問を解説していきます
計算問題は計算過程が重要なのに、市販テキストだと急に計算過程が飛ばされていたりしますよね?計算過程や覚えないといけない数値は表にをまとめて解説しています。
それでは挑戦してみてください!!

2020年度 下期 午前 問6

1相当りの電力損失P1は、P1=電流2×抵抗=I2×r
3相当りの電力損失P3は、1相当たりの3倍となので、P3=3×電流2×抵抗=3×I2×r
したがって、答えはハです
2020年度 下期 午前 問7

図を見てもらうと、上の抵抗に15A流れ、下の抵抗にも15Aが流れていることがわかります
ということは、中性線には電流が流れていないことがわかります
この回路の電線路の電力損失Pは、P=2×I2×rとなるので、
P=2×I2×r=2×15A×15A×0.1=45 W
したがって、答えはイです
2020年度 下期 午前 問8

絶縁電線の許容電流についは表の通りです
表より、断面積5.5mm2の許容電流は49Aなので、
電線1本あたりの許容電流は、 電線1本あたりの許容電流=49A×0.63=30.8A
したがって、近い31Aとなり、答えはハです。
残念ですが、表の値は問題中に出てこないので、単線、より線ともに覚えましょう
単線 | より線 | ||
直径(mm) | 許容電流(A) | 断面積(mm2) | 許容電流(A) |
1.6 | 27 | 2 | 27 |
2.0 | 35 | 3.5 | 37 |
2,6 | 48 | 5.5 | 49 |
3.2 | 62 | 8 | 61 |
許容電流とは、絶縁電線やケーブルに流すことのできる最大電流のことです。つまり、この電流以上に電流を流すと電線が発熱し、電線が溶けたり、燃えてしまいます。
2020年度 下期 午前 問9

電線の許容電流Iwを求める問題です
条件としては下記の通りです※IM:電動機の定格電流 、 その他負荷の定格容量IH
条件① | IM ≦IH | Iw≧IM+IH | |
条件② | IM >IH | IM≦50A | Iw≧1.25IM+IH |
IM>50A | Iw≧1.1IM+IH |
電動機の定格電流はIM=30A+30A+20A=80A
その他負荷の定格容量はIH=15A
今回は、条件②IM>IHのIM>50Aに該当します
許容電流Iwは、Iw=1.1IM+IH=1.1×80+15=103A
したがって、答えはロの103Aです
2020年度 下期 午前 問10

≪配線用遮断器の定格≫と≪コンセントの定格≫、≪電線の太さ≫の条件として、
下記表を参照
分岐回路 | コンセント | 電線の太さ |
15A | 15A以下 | 1.6㎜以上 |
20A 配線用遮断器 | 20A以下 | 1.6mm以上 |
20A ヒューズ | 20A | 2.0mm以上 |
30A | 20~30A |
2.6mm以上 断面積5.5mm2以上 |
40A | 30~40A | 断面積8.0mm2以上 |
50A | 40~50A | 断面積14.0mm2以上 |
それぞれ条件を見てみると、
- イは分岐回路20Aに対して、定格電流30Aコンセントなので、不適切
- ロは分岐回路30Aに対して、電線の太さ2.0 mmなので、不適切
- ハは分岐回路30Aに対して、定格電流15Aのコンセントなので不適切
- ニは分岐回路50Aに対して、定格電流50Aのコンセント、電線の太さ14.0mm2以上なので適切
したがって、答えはニです
お疲れさまでした。
「出典:2020年度下期(午前) 筆記試験 第ニ種電気工事士 問6~10:一般財団法人電気技術者試験センター 試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター (shiken.or.jp)」
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