第3種電気主任技術者(電験三種)を試験で取得しようとしている方で、
- 『合格率が10%以下だが独学で合格できるの?』
- 『どのように勉強したら効率良く勉強できるの?』
- 『参考書は何を使用すれば良いの?』
、、、、、等々疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
私自身も最初はどこから手をつけて良いのかわからず試行錯誤やっており合格できるか不安でした。私と同じように不安に思っている方へ向けて、私が電気主任技術者の資格を独学で4か月で合格したときの具体的な9つの勉強方法や勉強時間、使用した参考書を紹介しますので参考にしていただければと思います。
私自身の最初のスペックとしては、4科目ともに過去問はまぐれ当たり含めて20点以下でしたので、全くできない状態でした。
また、一発で合格するのに不安な方へ向けて、4科目をどの順番で取得すれば効率が良いのかも紹介します。

◆独学で合格することは可能
◆使用した過去問・参考書・問題集:電気書院、これだけシリーズ
◆勉強時間:500~600時間
◆勉強方法:勉強方法9つの手順、具体的な実施期間を紹介
◆科目合格:4科目の取得する順番
それではどうぞ!!
独学でも合格することは可能

第3種電気主任技術者の試験は4科目≪理論・電力・機械・法規≫があり、4科目を合格することで資格を取得することができます。
合格率は表の通りで10%以下となっており、一発で4科目合格することはかなり難易度が高く、独学では不安と感じる方もいるかと思いますが、独学で市販の過去問・参考書・問題集を使用すれば合格可能です。
自分だけでの学習では不安という方は、通信講座が数万円で販売されているので検討してみてはいかがでしょうか。
一発合格できなくても科目合格制度があるので、計画的に独学で2年、3年掛けて合格を狙うことも全然ありです。
独学・通信講座について、それぞれのメリット、デメリットについて下記記事で紹介していますので、最終的にどちらにするかの参考にしてみてください。
使用したテキスト
使用したテキストは、下記の3種類でそれぞれの特徴をまとめました。
- 過去問10年分
- 参考書:これだけシリーズ(4科目分)
- 問題集:合格への総仕上げ 電験三種ステップアップ問題集
電気書院が販売している電験3種過去問題集(10年分)をオススメします。
特徴として、テキストの見開き左ページに問題、右ページに解説を掲載されており、解説ページをめくる面倒な作業が省けます。
最初は全て解答し終えてから解答をみたいと思っていましたが、1問解答したら記憶が新鮮なうちに解説をみることがでより理解度を増すことができます。全て解答し終えると、20問解答しているのでこれってどうやってやったのか思い出せないときもあり効率が悪くなりますので、1問解いて解説を見ることで理解度を深めることができ時短にも繋がるのでオススメの過去問のテキストです。
当時はネットの評判もよかったこれだけシリーズ(4科目分)を使用しました。使った感想は図解や問題も多くわかりやすかったです。
ただ、最近ではアマゾンの口コミではあまり良くありませんね。色々な出版社から電験3種のシリーズが出ているので実際に本屋に行って自分がパッと見一番わかりやすいのを選ぶのがいいです。アマゾンではみんなが欲しかった!シリーズが評判が高くなっています。
ここで注意して欲しいのが、1冊で4科目分をまとめた参考書がありますが、これはオススメしません。
理由としては、電験はとにかく幅広い知識が必要となります。1科目で1冊と4科目で1冊では学べる量が全然違うため、全く役にたたないのでオススメできません。
電験の計算問題は毎回毎回ちょっと捻った問題が出題される為、色々な問題を解くことで応用力を身に着ける為に使用しました。古いですが、【合格への総仕上げ 電験三種ステップアップ問題集】を使用しました。
ここで重要なのは、過去問・参考書を使用している出版社と別の出版社の問題集を使用することです。
例えば電気書院の過去問・参考書を使用していた場合、問題集を別出版社のオーム社等に変えることで、『同じような問題でも違った計算方法での解説』や『機器等の特徴に対して、参考書には特徴1、2しか載っていない特徴を他の出版社には特徴3、4が記載している』ので、同じ問題でも別の見方から解くことができるので計算力や知識の幅がだいぶ上がります。
勉強期間 について
勉強期間:約4か月(4月中旬開始)約500~600時間
学生時代に取得したのもあり、勉強時間は大体下記の時間です。
夏休みを利用したこともあり短期間で合格できたのもあるので、社会人の方は3月上旬くらいから準備を始めた方がいいかもしれません。
- 4月中旬~7月中旬:平日2~4時間、土曜10時間
- 7月下旬~本番:毎日8時間
9つの勉強方法 について
電気工事士と違って過去問をただ暗記するだけの学習では合格はかなり難しいです。
暗記系は10年分の過去問をやれば同じような問題も出てきますが、計算問題は毎回毎回捻った問題が出てくるため、過去問だけの学習でかなり難しいです。
私の勉強方法は、参考書(これだけシリーズ)→問題集→過去問の順に取り組みました。
ちなみに他の資格と同じように過去問から取り組んだのですが、最初は4科目まぐれ当たりも含め約20点以下しか取れず、解説を読んでも意味不明の為、これは無理だなと諦めかけました、、、、。本当に全然できない状態から始めて4か月で合格できたので参考にしてもらえればと思います。
●私が行った勉強方法は下記の9つ
- 理論から取り組む
- 目標を立てる
- 参考書・問題集・過去問を何回も繰り返し学習する
- わからないところはチェックする
- わからない計算問題をまとめて解く日を決める
- どうしてもわからないところは諦める
- 独自の参考書を作る
- 計算問題は解説と違った解き方で解いてみる
- 覚えずらい暗記系は寝る前と朝に覚える
勉強するにあたって抑えて欲しい心構えについて、重要なポイントを下記記事にて紹介しています。合格への近道になりますので勉強する前に是非読んでみてください。
1.理論から取り組み
理論は他の計算問題の基礎となっているので、最初は理論を中心にして残りの3科目は暗記メインを取り組みました。
参考書を1周したら、2周目以降は4科目均等に勉強しました。
2.目標を立てる
目標が無いとだらだらしてしまう為、目標があるとそこに向かって取り組めばよいのでモチベーションが下がりにくいです。
例えば、参考書1科目200ページ(4科目800ページ)、過去問10年分を20日で1周するといった目標を立てる。
この場合は、1日1科目10ページ(4科目で40ページ)、過去問は0.5年分(2科目分)を勉強する。平日と休日があるので、休日に負荷を掛けるのも全然有りです。
また、この週は苦手な分野をやるといった目標を立てて取り組みました。
3.参考書・問題集・過去問を何回も繰り返し学習する
1回やっただけでは、絶対に覚えられないので何回も繰り返す。
私は5回以上は繰り返し学習しました。覚えるまで何回も繰り返し行いましょう。
4. わからないところはチェックする
問題集や過去問を解いてみて、わからないところは必ずチェック・付箋を貼って、ノート等にまとめましょう。
最初の方はわからないところが多いので、わからなかった箇所全体を1週間に1回は見返すようにし、少なくなってきたら2~3日で1回見返しました。
5.わからない計算問題をまとめて解く日を決める
わからなかった計算問題はまとめて解くようにすることで、理解が深まります。
例えば、問題集や過去問を2周目→3周目に行く前に、分からなかった計算をまとめて解く日の目標を立て行いましょう。
◎重要点
各科目ごとに行うことが重要です。過去問の年度ごとに行うのではなく、電力なら電力のみで過去10年分で行いましょう。
ある程度わからない部分が少なくなったところで、電力の配電系ができなければ配電系をまとめて解くことで、似たような問題を解くので効率よく学習できます。
一番のポイントですが、解くことができた計算式は必ず残しておくことです。
前回は何で解けたんだと思うことが多々あるので計算式を過去問やノート等に書いておくことで忘れずに思い出すこともできます。
6.どうしてもわからないところは諦める
何を言ってんだと思われかもしれませんが、暗記系であれば覚えてしまえばよいですが、計算問題に関しては解説を読んでもどういった過程でこうなるのか理解できないところはどうしてもでてきます。
特に独学での学習の場合は、厄介で誰にも聞くことができず時間だけを掛けることになってしまいますので諦めましょう。
ただし、わからないからすぐに諦めるのはダメです。大体過去問を90%以上理解できていることが条件です。
電気主任技術者の試験は100点合格ではなく60点合格なので、また他の問題を解いているとパッと解き方がひらめくこともあるので、どうしてもわからないところは諦めましょう。
7.独自の参考書を作る
参考書には載っていないとこが過去問に出てくることは多くあります。
その際は過去問の解説を参考書に追記しましょう。電力の火力発電でそのような箇所があったら、参考書の火力発電の近い項目に記入します。また、問題集にもそのような問題があれば参考書に記入します。
8.計算問題は解説と違った解き方で解いてみる
私自身は計算問題を解く上でこの項目が一番重要だと感じます。
問題集・過去問に載っている計算問題の解説はだいたい1通りのみですが、実際には複数通りで解くことが多々あります。※1通りでしかできない問題ももちろんありますが。
≪例えば、下記の図で20Ωの消費電力を求める問題≫ですと、解き方は1通りだけではないですよね?

解答:電流値I=$\frac{100V}{20Ω+30Ω}$ =2A 、20Ωにかかる電圧は、V=20Ω×2A= 40V
- 消費電力P=V×I=40V×2A=80W
- 消費電力P=$\frac{V^2}{R}$=$\frac{40V^2}{20Ω}$ =80W
- 消費電力P=I2×R= 2A 2×20Ω= 80W
解答としては、3パターンあります。解説には1.の解答しか載っていないから、1.の解答しか覚えないということをしないで、自分自身で複数通りの解き方を取得することでかなり計算力が上がります。
9.暗記系で覚えずらい箇所は寝る前と朝に覚える
これは完全に自分にあった覚え方なので参考にしなくても大丈夫です。
方法としては、寝る1時間前くらいに布団に入りながら読み返して、事前に写メで該当箇所を撮って朝の通勤・通学時に読み返すと記憶に定着しやすかったです。
具体的な勉強の取り組みについて
いきなり過去問やってもできなさ過ぎて撃沈し、やる気もなくなってしまいますので、参考書→問題集→過去問の順に取り組みましょう。
- 4月中旬~5月中旬:参考書を1周(最初の1周目は理論中心に他の3科目は暗記をメイン)後、問題集を1周(わからないところはチェック)する
- 5月中旬~6月中旬:過去問は参考書・問題集1周後に行います。過去問で前年の問題は1か月前に本番と仮定して行うため、2年前から行いましょう。
過去問は、参考書・問題集をやったからと言っても最初の1周目は全然点数を取れなくて当たり前なので安心してください!徐々に徐々に理解できるようになりますので、引き続き、参考書・問題集は2周目以降に突入しましょう。 - 6月中旬~本番:参考書・問題集・過去問をひたすら繰り返し、わからないところは2周目→3周目、 3周目→4周目、、、 に入る前に集中的に解きましょう。本番1か月前に前年の過去問に挑戦して、合格や合格に近かったら、気を緩めずに引き続き取り組み、合格に遠かったら苦手な分野を集中的に取り組むか科目合格に取り組むの有りです。
試験当日は、リラックスして解くことが重要です。最初の科目は理論ですが、理論の最初の問題は難しく、初見の問題が多いので焦ります。この場合は解ける問題から解いてリラックスしてから、挑むようにしましょう。
とにかく試験範囲が広く、覚えることや計算問題も難しく、最初はめちゃくちゃ大変です。ただ、わからないとことを着実に減らしていくことで解ける問題を多くなるので、参考書・問題集やっても全然過去問が解けないと焦らなくても大丈夫です。
◎独学で一番大変なことは?
誰にも相談できないことです。
全て自分で解決しないといけない為、わからない問題1問に何時間も掛けることも少なくなかったです。
しかもそれでもわからず時間の無駄となることも、、、
◎一番難しい科目:機械
これは出題範囲が変圧器、誘導機、同期機、直流機、電池、照明等々と、とにかく広く覚えることが山積みです。一発合格や科目合格を狙うにせよ、一番初めにこの機械を突破できるようにした方が良いと個人的には思いました。
科目合格を狙う場合の取得する順番について
電気主任技術者には科目合格制度があり、下記表のように3年間に4科目合格すれば試験合格となります。もし、2021年度に法規が落ちた場合、2022年度には理論・機械の試験免除は失効し、理論・機械・法規を受験することになります。
理論 | 電力 | 機械 | 法規 | |
2019年度 | 合格 | 不合格 | 合格 | 不合格 |
2020年度 | 試験免除 | 合格 | 試験免除 | 不合格 |
2021年度 | 試験免除 | 試験免除 | 試験免除 | 合格 |
電気主任技術者の試験の科目ごとの難易度は、機械→理論→電力→法規の順となります。
機械は試験範囲が広く計算問題も難しくこれを合格できれば、合格できたものと思っても大丈夫なくらいです。
まず初めの1年目に機械、できれば理論も合格しましょう。この2科目は計算問題が難しいので合格できるのかその年にもよることがあります。なので、3年目に残っていて不合格となった場合は、他の科目が復活するので早めに合格することをオススメします。
残りの電力・法規は暗記系と計算問題もそこまで難しくないので、2年目、3年目に取得しましょう。