第二種電気工事士 2020年度(下期 午前)筆記試験の問1~5について、過去問を解説していきます
テキストって、結構計算問題の途中の過程が飛ばされてて、え?これどうやるんだ?なんでこれになるの?って方はいるんではないでしょうか。計算問題をよりかみ砕いき、また重要なポイントを押さえ解説してみました。
計算が苦手な方や受験しようとしている方、一度不合格になってしまった方等、計算過程を細かく書いていますのでご一読ください。
それでは、どうぞ!!

2020年度 下期 午前 問1

電験三種の問題でもこのような回路はたまに出てきますね。
ただ、心配なく! そんなに難しくありません。まずは回路の末端(右から)解いてみましょう。

上図のように、①→②の順に回路をまとめる
- ①:4Ωと4Ωの並列回路となっているので、合成抵抗は、$\frac{4×4}{4+4}$=2Ωとなります
- ②:2Ωと2Ωが直列となっているので4Ωとなります。次に、4Ωと4Ωの並列回路となっているので、2Ωとなります。
ここまで、回路をまとめると、一番右側の回路のような簡易な直列回路となります。
電流を求めるには、オームの法則により、
I=$\frac{V}{R}$=$\frac{16V}{2Ω+2Ω}$=4A
したがって、答えはハの4Aです
2020年度 下期 午前 問2

電線の抵抗Rは下記の計算式になります
- R=$\frac{ρL}{A}$ (ρ:抵抗率 、L:長さ 、A:断面積 )
- 断面積とはここでいうと、円の面積の為、半径×半径×πです。整理すると、 A=$\frac{D}{2}$×$\frac{D}{2}$×π =$\frac{D^2}{4}$×π (D:直径) これを上記式に代入すると、
- R=$\frac{ρL}{A}$=$ \frac{ρL}{(\frac{D^2}{\ \ 4\ \ }×π)}$=$\frac{4ρL}{D^2 π}$(ρ:抵抗率 、L:長さ 、A:断面積 )
上記抵抗の式ですが、抵抗A,Bの比較の為、長さL、直径D のみに注目してみとR=L/D^2となります
したがって、抵抗RA,RBに数値を代入すると、
- 抵抗RA=$\frac{L}{D^2}$=$\frac{20}{1.6^2}$=7.81
- 抵抗RB=$\frac{L}{D^2}$=$\frac{40}{3.2^2}$=3.91
抵抗RAは抵抗RBの何倍でしょうか。
抵抗RA/抵抗RB=$\frac{7.81}{3.91}$ =2
したがって、答えは2倍のイです
2020年度 下期 午前 問3

熱量と電力量の関係は ≪3600kJ=3600kW・s=1kW・h≫ です
電力を求めると、 P=I2×R=15×15×0.2=45 W
次に、1時間あたりの電力量を求めると、W=P×t =45W×1h=45Wh
電力量は1時間あたりなので、秒に変換すると、1時間は3600秒となります
熱量と電力量の関係は ≪3600kJ=3600kW・s=1kW・h≫より、
熱量は、 Q=W×t=45×3600=162kJ
したがって、答えは162kJのハです。
2020年度 下期 午前 問4

力率は、$\frac{R}{Z}$×100%=$\frac{R}{\sqrt{R^2+X^2}}$×100%
したがって、答えはロです
これは、重要なので覚えるしかないですね
2020年度 下期 午前 問5

三相誘導電動機の電力は、 P=√3VIcosθ (W)です
消費電力量はW=Pt(kW・h)なので、P=$\frac{W}{t}$に式を変換し、Pに上記式を代入すると、
P=√3VIcosθ=$\frac{W}{t}$ ×103 (W)
※103が出てきた理由は、kW→W へ変換したため 例)1kW=1000W
ここで、力率cosθを求めます
cosθ=$\frac{W}{√3VIt}$×103×100= $\frac{W}{√3VIt}$×105
したがって、答えはニです
お疲れさまでした。
「出典:2020年度下期(午前) 筆記試験 第ニ種電気工事士 問1~5:一般財団法人電気技術者試験センター 試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター (shiken.or.jp)」
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